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2006年3月20日 (月曜日)

『バーンアウトの理論と実際』

久しぶりに大学の図書館から本を借りました。

今回は、その中の一冊、

田尾雅夫・久保真人『バーンアウトの理論と実際:心理学的アプローチ』(誠心書房、1996年)を紹介します。

まっ、まだ読み切っていないんですけどね。

バーンアウトの理論と実際―心理学的アプローチバーンアウトの理論と実際―心理学的アプローチ
田尾 雅夫 久保 真人

誠信書房 1996-01
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では、最初にバーンアウトについての説明を。

近年、バーンアウト(burnout)という新手のストレスが注目されるようになった。燃えつき症候群ということもある。最近では、日常会話のなかでも、燃えつきてしまったなどということもあるから、なじみの言葉として普及してきたようである。とくに、看護婦など医療の現場では流行語のように使われている(3頁)。

加えて後述するように医療や福祉、教育など、いわゆるヒューマン・サービス関連の分野では、今後ともバーンアウトが多発するのではないかと懸念されている(4頁)。

人と接する仕事は、人と接するが故に、燃え尽きる、いやむしろ「燃え尽きさせられる」ことが多いと思います。

ヒューマン・サービスを正面から論じるならば、サービスのためのシステム、たとえば病院のような組織について、何を差し置いても議論の対象としなければならない。管理論や経営論を射程のなかにぜひ加えなければならない。バーンアウトを低減するためには、何よりも、広い意味での合理的な経営をどのように行うかが重要なのである(9頁)。

これ、重要ですよね。バーンアウトのようなストレス関係の課題に取り組む際、合理的な経営を行うことによってクリアできる部分があるのに、個人の資質や性格に問題を還元してしまったりする傾向があるんじゃないでしょうか。

僕の愛読書、鷲田清一『「聴く」ことの力』(TBSブリタニカ、1999年)でも、「バーンアウト」に言及している箇所があります。以下、該当する部分の引用です。

人生の幸福と不幸がたえず裏返る場所、そして患者の日常と治療・看護する側との日常が裏返しになっている場所、そういう転回の起こる面が臨床の場であるとすると、看護という職務にあたるひとはそういう場所にこそいつも立っている。日常と非日常が反転する蝶番の場所にいつもいる。そういう場所は職業として割り切れない場所である。職業人になりきったら職業をまっとうできないという矛盾、顔をもったひとりの人間として他のひとに接する職業という、そういう深い矛盾をはらんだ仕事である。他人の世話をするという仕事の上でのしんどさをそのまま個人生活に持ち越さずにはいない仕事である。「燃えつき」はそういう場所で起こる。
そのような燃えつきにはまらないようにするには、どうしてもケアの対象とのあいだに距たりが必要となる。対象と一体化するのではなく、「切るべきところは切る」という距離感覚が必要となる。
ケアがケアでありうるのは、なんらかの目的や効果を勘定に入れない、つまりは意味を介しないで条件なしで「ともにいる」こと、つまり(広井良典のいう)「時間をあげる」ことのなかでであった。役割を越えたこういう関係のなかに入ることと、対象に距離をとることとは、しかし、いったいどのようにして調停が可能なのだろうか。こうしてわたしたちは最後に、〈歓待〉ということの意味を問わなければならなくなる(212頁~214頁)。

看護を経験をしたことのない僕が言うのはおこがましいかもしれませんが、

看護する者とされる者は、「つかず離れず」の関係でいる必要があるのかもしれません。

しかし、「つかず離れず」という関係が果たして可能なのでしょうかね。

そのように自分の気持ちに折り合いをつけることは、決して簡単なことではありませんから。


以下、関連情報です。

大阪大学大学院文学研究科 倫理学・臨床哲学 研究室
(鷲田清一氏が立ち上げた臨床哲学のコース)


「聴く」ことの力―臨床哲学試論
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■ 日記 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
・3月20日(月曜日)
とある会社の内定者との飲み@渋谷。

今夜研究室にお泊り。
■ pick up news ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
横浜プリンスホテルの売却先が決定
http://www.nikkansports.com/general/f-gn-tp0-20060320-9536.html

う~ん。横浜のホテル事情はどこも厳しいですね。

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(『Web designing』2006年.2月号29頁より)

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(『pen』特集:ポップアートより)

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描かれた女性たち~近代日本の風俗画 展@講談社野間記念館
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・日経ビジネス
ホテルルワンダ、性嫌悪症、

・クーリエジャポン
記憶を消す。

・霞ヶ関構造改革・プロジェクトK
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若手官僚による霞ヶ関改革の本。

・チェンジメーカー~社会起業家が世の中を変える
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秋山をねさんをはじめ世界の社会企業家の事例が多数提示されています。

・奇跡の経営 一週間毎日が週末発想のススメ
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企業の仕組みを民主主義として経営しているブラジル企業の話です。

・【NPO】サステナ http://www.sustena.org/
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『カルロス・ゴーン経営を語る』
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『君に成功を贈る』

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