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2006年1月10日 (火曜日)

『誰も知らないイタリアの小さなホスピス』

あなたは、死を迎える瞬間、

どこにいたいですか?

何をしていたいですか?

そして、

誰に、そばにいてもらいたいですか。

友人の薦めで購入した横川善正著『誰も知らないイタリアの小さなホスピス』、つい先日読み終わりました。

アルバイト先へ行く電車の中で読んでいたのですが、不覚にもその場で涙を流してしまいました。

冬はいけませんね。涙もろくなってしまいます。

著者の横川氏は、金沢美術工芸大学の教授で、英国文芸やデザイン史といった分野を専門とされています。

どんな内容かお伝えするために、カバーに掲載されている文章を引用します。

「死はスイートなものよ」。
イタリアで、末期がん患者のための訪問医療ヴォランティア組織を立ち上げた女性。アンナの言葉に衝撃を受けた著者は、彼女を支え、取り巻く人々と、その夢の実現―ホスピス建設に向けての歳月に寄り添うことになった。イタリアと日本という、国と風土の違いを超えて伝わってくる「看取り」の心とは?ひとりの美大教師の手になるユニークなホスピス紹介。

横川氏の文章は、優しく、そして時に艶かしいまでに美しいです。

印象に残っているものをいくつか引用します。

アンナのホスピス活動の基本のひとつに、スキンシップを置く。そばにいて触れ合っているからこそ、しっかりとこころの通い路なるものが確保されるのである。…スキンシップは単に、肌や手だけの触れ合いに終わらない。ちょうど空気の振動によってしずかに鳴り出す音叉のように、寄り添う者がまずこころを開き、相手の言葉を全身で受け止める。抱きしめたり、さすったり、ぴったりと身体ごと寄り添う場合もあれば、むろん耳を傾けることも、さらには少し離れたところから、視線でもって相手の身体とこころを支えることもできる(69頁)。
ユーモアにしろ笑いにしろ、ことばを弄すればするほど、大切なところが一瞬にして霧散する。そのあたりは芸術作品の難しさと良く似たところでもある。晩年。アーメンさんが好んだことばに、シェークスピアの『リア王』の台詞があった。「最悪の事態に立ち至れば、いつも帰りくるところ、それは笑いなのだ」(3・1・5)。王冠、王国、家臣、親子の愛情、すべてを失ったリア王は、気を失わんばかりに狂いつつも、愚かしい自分を慰め、そして笑いのなかにゆだねる。近づく死という現実をありのままに受け入れようと苦悶するひとりの老人の、かぎりなく信仰告白にも似た心情の吐露といえる(122頁)。
僕は、次の文章が一番好き。
意識を失うまで、際限なく思いを巡らせるために必要なのは夢のように麗しい記憶であり、それによってひとは痛みにも耐えられる。言い換えれば、今を生きている自分は記憶を糧に生きているのであり、よい記憶のなかで未来を生きている。たとえその記憶を司る意識が自分になくなっても、その想い出は自分がいとおしく思うひとのなかで、きっと生き続けると思うのである(157頁)。

■ 日記 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

・1月10日(火曜日)

ゼミで修論の発表。
これから三日ぶりの自宅就寝です。

■ pick up news ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

在日米海軍司令官、横須賀女性殺害事件で外務省に謝罪
http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20060110AT1E1000K10012006.html
許されるべきことではない事件です。

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コメント

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投稿: ca high risk health insurance | 2007年8月16日 (木曜日) 00:35

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