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2005年4月19日 (火曜日)

学問とは①

平井堅の母校でもあり、僕が通っている横浜市立大学(以下、市大)は、今年四月から独立行政法人となりました。数年前、突如として、「市大は赤字採算だ」、「改革する必要がある」などの批判が出てきて、教員・学生の存在を無視した改革が押し進められ、現在に至ります。

僕は、市大で進められた改革は、その内容・進め方ともに間違ったものだと考えています。改革が進められた結果、市大は間違いなく悪くなっています。進められたのは「改革」ではなく「改悪」です。優秀な教員は他の大学へうつり、受講できる科目数も減り、学生に対するサービスも悪くなっています。これが教員・学生の同意に基づいて行われた結果ならともかく、当局側が勝手に進めての結果なのです。市大の入学希望者の倍率は低下しましたが、一体、誰が責任をとるのでしょうか。
※大学改革の過去・現状については、市大の教員である、永岑先生の日記と横浜市大新聞ニュースブログを参照して下さい。

僕は、「改革」の内容・進め方には批判的ですが、そこで提起された「問題」は考えなくてはならないことだと考えています。市大への批判として、「横浜市(民)の税金が投入されているのに、横浜市(民)に還元されていない、貢献していない」というものがあります。どのようなソースに基づいて「横浜市(民)に還元されていない」と判断したか定かではなく、このような物言いは、当局側のレトリックという面も否めません。しかし、この批判の内容は、教員・学生ともに考える必要があります。私立の大学と違い、国公立の場合、自分以外の人のお金が投入されています。国民、市民の血税が投入されているわけです。ならば、出資者である国民・市民に対して、学問(を学ぶこと)の必要性や重要性、そしれそれが社会とその構成員に還元されていることを説明する責任があるはずです。

国も市も財政赤字で、様々な面で予算が削られていく現代では、学問の重要性、必要性は、改めて説明しなければなりません。どのような理由であれ、政府、自治体、そして「市民」に対し、学問の意義を説明する必要があります。(ここでは、財政赤字の原因と、その解決の方法を巡っての議論は省略します。)

学問の中でも、理学や工学、法学、医学、経済学、政治学、社会学などはそれぞれの意義を説明しやすいでしょう。しかし、僕が学んできた人文科学、つまり、文学、哲学、歴史学などについては、その意義を説明することは難しいです。なぜなら、これらの分野は、一見すると、なんの「役に立って」いないように見えるからです。

「人文科学の意義」、「人文科学は役に立つのか?」僕が扱うには壮大なテーマです。このブログでは、「卒業論文」という観点から、このテーマについて考えていきます。僕の卒論の「あとがき」や教員達の「卒論観」を具体例にしつつ、気長にこのテーマに取り組んでいく予定です。

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自分の卒論の「あとがき」を、このブログでアップしよう考え、そのためのマエフリをしようと思ったら、こんな難しい話になっちゃいました。おらら~。

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コメント

人文科学をバカにするのは人間の一番大切な(ものの一つの)
知性をバカにすることだと思う。
「市立大学」って独特の文化を持っているものだと思います(都立大学もその性格があった)
しかしどんどん潰そうとしている。

ヨーロッパの大学の存在意義と日本のそれと
比較検討したりすると良いかも。

学生保護、学生の勉強する権利を税金でバックアップしていたり
phdを取る(特に理工系の)
学生は給料貰えたり全然違うので
愕然とする。

横浜市立大学は海辺にあってちょっとアクセスが悪いけどもっともっとどんどんいろんな
学問的イベントを開いたり
語学講座や社会人講座、市民講座も含め
門戸を開放することから始めたら
いいのではないかな。
すごく素朴な答えしか出せませんが。
素朴な事をコツコツやるしかないかも。

大学図書館の蔵書がどんどん減っているのが
この大学の破壊を象徴していると思う。
学生だけではなくて横浜市民のことを
バカにしていると思う。

別に中にいる人たちだけの責任ではなくて
横浜市民や神奈川に住む人たちに
知性と教養の大切さに気付いてもらって
どんどん参加してもらっていければいいのにね。

投稿: うまくいえないけど | 2005年4月20日 (水曜日) 11:33

うまくいえないけど さん

コメントどうもありがとうございます。

>素朴な事をコツコツやるしかないかも。

僕も同じ考えです。
僕が金沢文庫芸術祭という草の根アートフェスタに参加している理由の一つでもあります。

自分が学んできた、「人文科学的な知」-僕はそれを「(他)人とともに過ごすことのあり方を考える知」と考えています-は、なんらかの形で人に良い影響を与えているはず、と思っています。まぁ、こちらが影響を受ける(良い意味で)の方が、はるかに多いんですけどね。

なんだか、僕も言いたいことがうまく言えません。今後の「学問とは」シリーズに期待していて下さい!!

投稿: シバショウ | 2005年4月20日 (水曜日) 18:54

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横浜市立大学横浜市立大学(よこはましりつだいがく、Yokohama City University)は、神奈川県横浜市にある公立大学法人。医学部やその附属病院を始めとし商学部以外の全学部が大幅な負債となり市の財政を圧迫している現状から、その存続自体を含む今後のあり方が「市立... [続きを読む]

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